まなきのなるようにするさ!

ミニマリストの途中。服飾専門学校卒でアパレル業界勤務経験アリ。洋服のお手入れ、お直し、心や部屋のお掃除の話など徒然。

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【書評・感想】ずっと「安月給」の人の思考法

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こちらの本を読んだので、感想を。

 

 

おすすめしたいのは、

「いい会社・悪い会社の見極め方」が知りたい方、

「今の会社が割に合わない!」と不満に思っている方、

「自分がどんな仕事をしたらいいか分からない」と悩んでいる方など。

 

タイトルに惹かれて読んでみましたが、

(安月給に反応してしまうかなしさ、、)

ヒントがたくさんあり、読み応えがありました。

 

長くなりましたが、自分の体験談等も挟んでお届けします。 

 

「価値」と「使用価値」って?

 

何が違うの?と思ってしまいますが、

「価値=労力の大きさ」

「使用価値=使うメリット」

と、その違いが説明されています。

 

キャンプ場のすぐ横で近くの小川の水は売れないという例を挙げていて、

それはなぜかというと、

使用価値はあるけれど、価値がない(労力がかかっていない)から、と。

 

お金を払ってもらうには、「価値」と「使用価値」がなければいけなくて、

一般的に「使用価値」が重視されるけれど、価格を決めているのは「価値」、

と書かれています。

 

そして、給料の決まり方も同じだと。

 

やっぱり、そういうことか。。

 

労力ばかりかかる仕事で、

利益のたいしてあがらない仕事してて、

給料上がらなくて虚しい、、って思ったけど、

つまりその労力は評価されてないわけです。

 

いや、評価されるわけがないです。

だって利益になってないから。

いや、そりゃ無理だー、と納得してしまいました。

 

「あなたの会社の給料が安い理由6つ」で胸がイタイ

 

ざっくり要約すると、

業績悪い、工場持ってる、利幅の天井が決まってる、

日本人はサービスにお金払わない、技術進歩して労働価値下がる

っていう6つなんですが、どれもものすごく納得いきました。

 

私、アパレルOEMのデザイナーや生産管理の仕事をしていましたが、

色々とバッチリ当てはまってました。

 

業種によって平均給与に差がある(略)、それは利幅の天井が決まっているからです。

 

卸売業や小売業者がどんなにがんばっても、商品の価値を引き上げることはできず、その商品の「妥当な価値」を引き上げることはできない。

 

少なくともメーカーは利益額の「天井」を自分で設定することができます。(略)しかし、流通業者はそれができません。

 

これです、これ。。

働きながら、思ってた。

だから理不尽だった、けど、やっぱり!と納得、すっきり。

 

OEMというのは、自社ブランドではなく、

相手先ブランドに対しての企画・生産代行なので、

こちらで上代が決められない。

疑問に思いながら働いてました。

 

言いなりみたいな部分が多い上、

ブランドと工場との間で板挟みになりながら、

気づけば本来もらうべき手数料すら回収できない仕事を受ける。

そういう状況になりやすい。

 

もちろん、上手に仕事として成功させているところもあるのだろうけれど。。

 

どうしても、立場的に弱くなりやすい気はしてしまいます。

 

 

日本人はサービスにお金を払わない、っていうのは、

洋服のお直し職人をしていたときにも実感したことです。

 

洋服という「モノ」にはお金を払うけれど、

それを直すという「サービス」には払いたくない、

そういった厳しさを目の当たりにしました。

 

技術や労力を考えれば妥当な金額なのに、

大多数の人がそれを「じゃあ、いらないや」と。

見積もりだけ聞いて帰る方は少なくなかったです。

 

ただし、それこそそこに「価値」と「使用価値」を感じて、

気持ちよく依頼をしてくださる方もいるわけです。

 

今は家事代行サービスなども流行しつつあるので、

日本人もサービスにお金を払う時代になってきている気もします。

 

断捨離ブーム等もあり、徐々に「モノ」より「サービス」が

評価されるようになったのでは?と個人的には感じます。

 

ですが、

 

日本人は、形が見えないサービスに対して「価値」を感じにくいため、高いお金を払いません。

その結果、サービス残業の給料が安くなっているのです。

 

これには納得せざるを得ない。。

 

 

技術が進歩すると労働者の価値を下げるから

 

これはかなり皮肉な現実ですよね。。

技術が進歩して不要になる人がいるのは、事実。

 

母のディスプレイプランナーという仕事も、

CADが発達して激減したと聞きますし、

必要なくなったから、辞めたと言っていました。

 

より便利にしよう、生産性を上げよう、と努力して技術が進歩した結果が、

給料が上がらず、むしろ下がっている理由だなんて、辛いとしか。。

 

給料が上がりやすい会社の条件とは?

 

ざっくり言えば、さきほどのことを裏返せば、

給料が上がりやすい会社の条件になる、という話です。

 

 

丁寧に書かれているので、ぜひじっくり読んでいただきたい。

 

特にグッときたのは、

さらに新しい条件として挙げられていた、

 

「マネされにくい」「他人が同じ商売をしようと思っても、なかなかできない」ということ。

 

本書を読んでいて、「あーやっぱりダメなんだ」の答え合わせが続いて、

希望が全く見えなかったけど、

少し明るい気持ちになれたような気がしてきました。

 

ブラック企業の特徴」が的確

 

これも「あーなるほどー」の連続でした。

 

特に「理念がない」に関しては、

過去の会社で強烈だったことが。

 

ある日の会議で、

OEMだけでは儲からないからということで、

「各自、売れそうなもの考えて次回発表してくださーい。

 売れればじゃがいもでもなんでもいいんでー(半笑い)」

 

私は洋服が好きで、デザイナーの仕事をしていたので、

これにはかなり絶望しました。。

 

その会社は退職しましたが、

私が入社してから退職するまでの間に、

他に5人も辞めていったのが全てを物語っているかと思います。

 

 

理念しかない」に関しても、納得の経験が。

 

社長はいい人だし、好きだけど、

社長の労働者の扱い方(言葉や接し方は優しくても、賃金は出し惜しむ、とか、

賃金に回らないようなビジネスの仕方をするとか)

にはついていけなかった、とか。

 

思い当たる方は要注意です。。

 

「安月給の人の8つの思考法」で心当たりがあるすぎる

 

読みながら笑えてくるほど、当てはまることがありましたよ。。

その中でも、

 

「社員食堂が安い!」と喜ぶ

 

 

社員食堂があったことはありませんが、

アパレルOEM時代には、B品を格安で買えたりとか、

不要になったサンプルがタダでもらえたりしました。

 

これを身内にあげると喜ばれたりして、身内から

「こういうのがもらえるんだからいいじゃない!」

と言われて、結構精神的にしんどい部分、ありました。

 

「労働力の価値を高める」ことの大切さ

 

いくつか大切なポイントが挙げられた中で、

 

 

「最も重要なのは、労働力の価値を高めること」

として、以下のことが述べられています。

 

「自分」という労働者をゼロから作り上げるときにできるだけ高いコストがかかるようにすることが最も重要です。言い方を変えると、「企業があなたの代わりを連れてこようとすると、非常に高くつく」という状態を作らなければいけないのです。

 

 これを読んで、

「自分なんてそんな価値がない、、」「そんな自分は安月給でもしかたない」

と悲観的になる方、いらっしゃると思うんですけど、

(私もそっち派なんですけどね、、)

 

とりあえず、このあたりまで読んだところで、

なんとなくモヤモヤしていた自分のお給料や、

会社の業種の特徴等をだいぶ理解できるので、

読む前に感じていたモヤモヤがクリアになっているはず。

 

結果、漠然とした不満やどよよんとした気持ちが、

ちゃんと理由と結びつくので、

「自分に価値がないからだ、、」と落ち込むだけではなくて、

「私のこういうところを伸ばしてみよう」とか、

「この会社じゃダメだ、他で価値を評価してもらおう」とか、

少なからずポジティブになれる要素があるかと思います。

 

「自問13」でギクッとする

 

と、油断したところで、チクチクくる質問が13、続きます。

 

その中でも、ギクッとしたのが、、

 

「自主レンをしているか?」の項目で、

ビジネス書を読み、自己成長に余念がない意識が高い人のそれが、

 

本当に自分を高める「自主レン」になっているのでしょうか?

それとも、本業から逃げるために、息抜きとしていやっているのでしょうか?」 

 

これはかなりぐさっときました。

 

ビジネス書を読んでも優秀なビジネスパーソンになれないのは、

それが自主レンになっていないからです。

野球部の補欠部員がサッカーをやっても、レギュラーになれません。

周りからはむしろ不真面目な奴と見られてしまうでしょう。

 

ぐさぐさ。。。

 

当たり前と言えば当たり前だけど、これでぐさっときたのは、

自分が自主レンできてなかったかもと思い知らされたから。

 

日々の行動目標を設定しているか?」の項目では、

「こうなりたい」という目標しか作ってないから、

目標を立てても実行するのが難しい、というようなことを。

 

「こうなりたい」という長期的な「状態目標」ではなく、

「今日何をする、明日何をする」っていう短期的な「行動目標」を作るべきだと。

 

ここ、目的と手段の違いに関しても分かりやすく買いてあって、

かなりなるほどーと思ったんです。

 

目的と手段を一緒にしちゃいけないっていうのを、

私はミニマリストに重ねてしまいました。

 

ミニマリストになることは目的じゃなく手段で、

ミニマリストになる目的は幸せになるためと思うので。

 

そうするための手段が、ミニマリストになることで、

さらに細分化すると、いらないものを捨てるとか、

さらには今日はこのゴミを捨てるとか、明日はあの粗大ゴミを捨てるとか、

日々の手段の積み重ねで、ミニマリストになり、

最後の目的である「幸せな暮らし」を手に入れる。

 

思いがけず、色々と再認識させられました。

 

自分を見つめ直せる「円」

 

「ビジョナリーカンパニー」という本に書かれているようですが、

本書で紹介されていることと合わせてまとめると、

 

以下の3つの回答を円で表し、重なるものを考えて、

そこに集中することが「飛躍した企業」に共通する戦略だと。

個人の場合、円が重なったものを仕事として手掛けるべき、と。

 

1 情熱を持って取り組めることは何か

(好きなこと)

 

2 自分が世界一になれることは何か

(得意なこと)

 

3 経済的原動力は何か

(人の役に立ってお金がもらえること)

 

注意は「いまの自分の枠にとらわれないこと」だそう。

 

現実的に考えるのではなく、理想像を描く。ゴールを描く、と。

理想像と現実を見比べて、足りないところがあれば、

それを埋める努力を「これから」すること。

 

好きなことを起点に「ゴール」から考える、

というのはとても大切だと思いました。

 

また、「商圏の中で一番になれそうなもの」ではなく

「どうすれば、商圏の中で一番になれるか?」、

「お客様からお金を払ってもらえそうな内容」ではなく

「どういう商品だったら、どういうサービスだったらお客様がお金を払ってくれるか」

を考えること、と。

なるほど。。

 

「自己内利益」が深い

 

「自己内利益」が赤字の仕事は「やらない」と判断すべきです。

「赤字」の働き方だから、楽にならないのです。

 

この「自己内利益」にかなり共感したので、イラスト交えてメモしました

 

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いくら給料がよくても、

それに費やす時間、体力的・精神的エネルギーが大きければ、

赤字ですよね、っていう話。

 

一応それを意識して仕事を決めてきたつもりたけど、

結局見合わないと感じて今に至る。。

 

自分はどんな働き方をしたいのか?

目的地を決めなければ、どこにもたどり着けません。 

 

これは、本当にそうだよなぁ、と。。

 

それが分からないうちには、絶対満足できるわけがないし、

幸せにもなれるわけがない。

 

自分で決めないと。

 

前の会社で、最初提示された格安の給料。

その前の会社の給料から9万円以上も下がって。

不満は当然ありました。

 

「給料が上げられるように頑張れ」と言われるのも辛く、

もはや給料が上がったところで私は幸せになれないと感じて、

結局、精神的にもどん底に病んで、辞めました。

 

先程の問いに答えられたら、

10年かけて(長期間で)自己内利益を黒字にして行くことを考える、

今すぐ黒字化目指して報酬を換金したら将来大きく育たない、

という考え方は新鮮でした。

 

つい目先の収入の額面を気にしすぎていたので。。

で、割りに合わないとブーブー言ってました。

 

もちろん、タダ働きとか、サービス残業はダメだし、

私、それが何より嫌いなので、それを強要されるのは無理なんですが、、

それは「搾取」だと思うので。

 

そうではなくて、自分で選択して「投資」できるような、

そう思えるような仕事が、できるようになりたいって思います。

 

「好きなこと」が「得意なこと」になるように、

またその仕事で人の役に立ってお金がもらえるように、

自分を高めていきます。

 

これに尽きますね。。

 

まとめ

 

厳しいこともたくさん登場するので、

読みながら「うっ・・・」と叱られたような気持ちになったりもしましたが、

おかげで学ぶことも、自分を見つめ直すことも、たくさんできました。

 

私は今までいわゆる「貧困女子」に分類される収入だったことが多く、

決して余裕がある生活は送ってきていません。

 

今まで、お給料や労働条件に関して、不満に思うこともたくさんありました。

 

でも、それには理由があったと知ることができました。

(もちろん、それで全て納得できるわけではないにしても、、)

 

「自分に価値がないからだ」と自分を責めることもありました。

 

でも、責めるだけでは何も変わらないという現実と、

どうすれば自分の価値を高められるか、だったり、

自分の価値はどこで認めてもらえるか、だったり、

そもそも、自分はどうしたいのか?を考えることができました。

 

この本は、世の中の仕事の仕組みや、

自分を見つめ直すきっかけを教えてくれる本だと感じました。

 

ヘビーと言えばヘビーでしたね。。

グサグサきましたから。。

 

自分の「好きなこと」すら見失いかけていた今、

改めて、自分の「好きなこと」と向き合いつつ、

それを「得意なこと」として胸を張って、

「人の役に立ってお金もらえる」ようになりたいと強く思いました。

 

同じように悩んでいる方には、ぜひ読んでいただきたい本でした。

 

 

では、今日もここまでお読みいただき、
ありがとうございます。

 

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